アニマル泉

フォルティーニのアニマル泉のレビュー・感想・評価

フォルティーニ(1976年製作の映画)
4.5
ストローブ=ユイレとゴダールは兄弟だ。
◯複数のテキスト「書物」「赤字の手書きメモ」「新聞」
◯複数の言語
◯突然響く音の断片
◯黒カットと白カットの挿入
似ている。それぞれは孤高の戦いをしているのだが同志である。
ストローブ=ユイレは執拗だ。長い固定ショットでの朗読、教会のミサ、一体いつまで続くのかと途方にくれてくる。最近のゴダールはカットが短いが、その真逆である。モネの晩年の絵が輪郭も色彩も溶け込んでいくように、ゴダールとストローブ=ユイレはカットやモンタージュを消滅させようとしているかのようだ。
本作はセザンヌの絵のような山並みが美しい。フルショットで捉える建物の構図も揺るぎない。景色のスローの360度パンが繰り返される。ストローブ=ユイレは動く景色が好きだ。撮影はレナート・ベルタ。
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