ヒロ

コンカッションのヒロのネタバレレビュー・内容・結末

コンカッション(2015年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

NFLを敵に回した医者の実話に基づく不屈の物語。

死体と対話しながら解剖を行う、少し変わった黒人の医者がある日、精神が崩壊した元アメフト選手の解剖を行った事から話は始まる。
ボクサーのパンチドランカーのように、アメフト選手も引退後、脳震盪や認知症などの後遺症が多発しやすくて、それが原因で選手が自殺したり精神に異常をきたす事例を、フットボール協会が認めなかった事に対して、それを世間に発表しようとするが、国民的スポーツの振興の妨げになる事から、協会だけでなく政府も色々手回しをして妨害してくる。
さらにフットボールファンからも脅迫電話などもあり、妻も流産してしまう。


主人公オマルはフットボールを憎む訳では無く、協会に対して選手達のケアを求めようとしてるのだが、大組織の隠蔽体質にはなす術もない苦悩や、アメリカ人として認めてもらいたいと強く願う気持ちなど、見てて心苦しくなる内容だった。

結末としては、昔タバコ協会が発癌性を最終的には認めたのと同様に、NFLもやっとこの事実を認め、何千人もの選手が訴訟を起こす事となった。

大組織にほぼ一人で立ち向かった、オマル医師の正義感と挫けぬ精神力に心打たれる内容だったけど、告発系の映画は最後は報われることが多いが、今作はいまいち後味が悪かった。
ヒロ

ヒロ