TAK44マグナム

GUZOO(グズー) 神に見捨てられしもののTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

2.9
ガイラ(小水一男)監督が脚本・演出を手掛けた和製モンスター映画。
製作は、当時刊行されていたホラー映画雑誌のVZONE。
タイトルにパートⅠとあるように、予定ではパートⅡが製作されるはずでしたが、残念なことに御破算という憂き目にあってしまいました。
ポルノ映画出身の監督、そして女子大生グループが主人公とくればエロエロ要素も堪能できるのかと思いきや、エロさは皆無っていうのはどうなんでしょうか?

現存する地球上の、どの生物とも違った別進化を遂げた古代生物が、何故か田舎の一軒家に潜んでいて、そこへやってきた脳みそのちょっと足りないキャピキャピ(←死語)女子大生たちに襲い掛かるだけの映像作品。
本当にそれだけ。
なので、ドラマらしいドラマは全然ありません。
建物を管理している理系女子が何やら怪しい・・・という雰囲気だけ匂わせておいて、ダラダラと女子大生たちが遊ぶ姿をおったり、グチョグチョと女子大生たちが血みどろの惨死体になるところを映すことに終始します。

心底どうでもいい、女子大生たちのババ抜きやプール遊びに興じる姿を我慢して観ていると、ようやく真打であるGUZOOが登場、変態チックな触手で女子大生の身体を無残にも切り裂いたりしちゃいます。
腹部からワシャワシャと出てくる気色悪い触手たち!
こういったスプラッターシーンは、低予算の割には良く出来ていると思いますね。
短いですが、充分にグロリンチョしています。
ガブガブ!!から~の首チョンパとかもあって、こういう惨いところを見せたい!という純粋な思いは伝わってきましたよ。

いかんせん、他の部分がかなりいい加減に作られているので、パートⅠなどと出し惜しみせずに2時間ぐらいのちゃんとした一本の映画として製作されていたら、もしかしたら伝説級の和製モンスターホラーとして語り継がれる作品となったかもしれません。
GUZOOの弱点が唐突に判明したりするのも(本当に理由もなく分かる)、中途半端な尺に留めざる負えなかった製作事情の弊害と言えるでしょう。犠牲者の数が少ないので何となく物足りないのも然り。

それにしても、GUZOOが擬態能力を使って、その擬態したものを女子大生が拾って帰るという、ある意味シュールなラストには唖然DEATH~!