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イップ・マン 継承のtoshiのレビュー・感想・評価

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)
5.0
GW中結局鑑賞出来たのは今作と帝一の國の2本のみ。ですが、個人的には双方素晴らしい作品で大変満足の行く鑑賞となりました。

序章、葉問を鑑賞しての継承。前2作も勿論詠春拳を絡めたテーマがありました。そして今作の詠春拳は「守」がテーマだと思いました。

今回の見どころの一つは詠春拳VS詠春拳。正統をめぐっての戦いが待っています。この様に同じ流派がぶつかる作品は双方が極端な立場が多い様に思います。例えば、善VS悪、新VS旧、攻VS防・・・等。ですが今作は詠春拳の使い手イップ師匠とチョンは何かを守る為に詠春拳を操ります。正に守VS守・・・。双方が同じ立場でそして何かを守っているのに何故戦う事になってしまうのか・・・。

イップ師匠は今作でも相変わらず良い人でした。よってやっぱり今回もイップ師匠の周りの方々が大変ご苦労されておりました。
特に妻のウィンシンは今作中盤で衝撃的な事実が分かり、でもイップ師匠が良い人すぎるので心身ともに疲れ果ててしまいます。
後に妻の衝撃的な事実を知るイップ師匠・・・。その後はラストまで兎に角切なく涙が止まりません。あまりにも切ないです。

イップ師匠の振る舞いが更なる切なさを増し私の感情はMAXです。そんな中での皆様大絶賛するエレベーターのシーン。正に守るイップ師匠と詠春拳。最高のシーンでした。そして涙腺大崩壊に追い打ちをかけたのがこれまた皆様絶賛のイップ師匠と妻ウィンシンのダンス。切なくとも何とも愛おしいシーンでした。更にウィンシンのリクエストに応え木人を叩くイップ師匠。あんなに切ないシーンは見た事がありません。本当に木人が哭いていました。あまりにも切ない木人を叩く音・・・。心の底からこの夫婦に幸があって欲しいと願いました。

バトルシーンは文句の付けどころがございません。マイクタイソン演じるフランクとの一戦は必要があったのか?という声もちらほら挙がっているみたいですが、個人的には非常に見どころあったシーンだと思っています。そしてチョンとの詠春拳同士の一戦。このシーンがまた何とも切ないです。イップ師匠とチョンとの間には彼らがぶつかり合う音以外は正に無用といった一戦にまたまた胸が熱くなります。

序章、葉問を観ずに今作いきなり鑑賞でも十分に楽しめると思います。が、やはりずっとイップ師匠を支えてきた妻ウィンシンにも感情移入すると共にこんなカンフーアクションがあったのか!とより感動したいのならば序章と葉問の事前鑑賞をお勧めいたします。

最後に・・・。青年となったブルース・リーが出てきますが、リー役に抜擢された俳優さんがバナナマンの設楽さんにしか見えなかったのは心の片隅にしまっておきたいと思います。
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