Jun潤

ぼくのおじさんのJun潤のレビュー・感想・評価

ぼくのおじさん(2016年製作の映画)
3.4
2021.05.06

宮藤官九郎出演作品案件。
主演は実写版「るろうに剣心」シリーズ3代目弥彦役大西利空×現在放送中のドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」にてモテすぎる1番目の元夫を演じる松田龍平。
あとは最近見ている家族ものですね。
北杜夫の原作小説が山下敦弘監督で映像化された作品。

春山家に居候しているおじさんの姿が、長男の雪男目線で描かれる。
ケチでぐうたらでイタズラ好きで何もしない暇を持て余したおじさんが、お見合い相手に一目惚れし、ハワイまで追いかけていくこととなる。

同じような設定を「三丁目の夕日」で見ていたので病気が絡んでくるのかと思っていました。
前半では日本を舞台に春山家でのおじさんの様子が、雪男の的確なツッコミと妹・恵子の辛辣なコメントとともに描かれ、笑いを誘う場面ばかりで、幸男の作文に沿ってテンポよく進んでいたのでこれはとても良い作品に出会ってしまったと思いましたが、
後半が…わお。

ハワイを舞台におじさんの一目惚れ相手であるエリー、彼女の元婚約者・青木さん、そしておじさんの奇妙な三角関係が描かれていましたが、
雪男目線ではなくなり作文に沿わずに進んだのでテンポがグダグダに。
また、前半のノリからガラッと変わり戦時中の日系人や農場の経営についても語られるという謎構成。

前半が良かっただけに、このテンポの変化と語られるテーマが多様化するのは少々いただけませんでした。
しかしオチについては読めそうで読めない、でもどこに転んでも一応上手くまとまりそうな予感を匂わせてくるのは好印象でした。

目当ての宮藤官九郎が松田龍平演じるおじさんの兄、肝っ玉母ちゃん寺島しのぶの姉であり、エリーとおじさんを引き合わせたお節介なおばさんを演じるのはキムラ緑子と、キャストのイメージと兄弟姉妹の関係がバチッとハマっている作品でした。
Jun潤

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