良くいえば、更に進化したアクション。
悪くいえば、トムのやってみた動画。
しかしそれでも6作も作られ、かつ8作目まで製作が決まるのは、やっぱりトムのスターとしての魅力、そして努力の賜物。
ストーリーは二転三転し、裏切り、嘘がわかりやすいほど交錯しまくる。びっくりするほど話がコロコロ変わるのでついていくので精一杯になる。しかも今回は真の悪役を隠しているようで全然隠せていないのが致命的。キャスティングやキャラの言動からみて丸分かりなのは、本作の騙し合いとも取れるミステリアスな内容に見合ってないと感じた。
しかし、本作はストーリーにケチつける必要などなく、シリーズを重ねる毎に進化するアクションが最大の見所といっていい。というか、そこしかない。冒頭のイーサンのアホすぎる失態など吹き飛ぶレベルのものであった。
陸、空へと展開される命懸けのアクションの嵐。100回以上飛んだというスカイダイビングを初め、公道を激走するバイクアクション、さらには長時間に及ぶトム走り、そして最後はヘリチェイスと崖での攻防。文字にすると安っぽく感じるものの、スケールはとてつもなく大きいことは保証する。ヘリチェイスからのシーンはかなり心臓に悪くなる。また壮絶なアクションが始まる前は画面の大きさが変わるので、視聴者にもタイミングがわかりやすい仕様だ。
またシリーズファンにはいくつかのサプライズも用意されており、未見の方は必見だ。特にあのキャラの再登場には驚いた。女スパイとの区別が難しかったが。
とまあ、ストーリーはゴースト・プロトコルや第一作が好みではあったが、前作、そして本作はとうとうアクションに本気を出してきたようだ。このままいくと更にオリジナルからかけ離れていくに違いないが、もうこのままトムの好きなように進めていくのが本シリーズを更に進化させることになるかもしれない。正直監督が毎回変わることを楽しみにしていたが、この際どこまでいけるか見届けたい。次は本当に宇宙に行くしかない。
