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名探偵コナン 純黒の悪夢のシネラーのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)
4.0
"緋色の弾丸"、"ゼロの執行人"に続き、
本作も続けて再鑑賞。
ここ10年程のコナン映画の中では、
アクション映画に振り切っている
本作が個人的に一番好きな作品だ。

従来の劇場版での黒の組織は、
あくまで主軸となる殺人事件の裏で
暗躍する形での登場だったが、
本作は組織の一員であるキュラソー
が公安から盗んだNOCリストを巡り、
組織とコナン達の対決を全編通して描く
内容となっている。
その為、これまでの組織が登場する
映画よりも一貫性があると感じられた。
又、組織との攻防戦だけでなく、
探偵団との交流を通して、
人間的に変容していくキュラソーの話
も描かれるが、
裏の主役と言える良いキャラクター
であり、ゲスト声優をされた天海祐希
の熱演も相まって良かった。
ほろ苦く終えるエンディングは、
B'zの楽曲と合わせて好きな部分だ。
そして、エンドロール後の場面は、
本作で少ない出番だった蘭の優しさに
救われる好きなシーンだ。
全編がアクション映画さながらの
攻防戦が繰り広げられていくが、
コナン、赤井、安室の共闘展開は
胸熱でしかない格好良さだった。

不満点は、やはり激しいアクションとは
反した謎解き要素の薄さだ。
黒の組織との攻防戦となると、
どうしてもアクション要素が強くなる
のは仕方がないと思うが、
それはそれで相手の裏をかくような
心理戦や攻防を描いて欲しかった。
又、赤井と安室の戦闘は格好良いが、
物語の状況的には無意味な争いなのが、
何とも言えない部分ではある。

第20作記念のオールスター映画であり、
FBI、公安、黒の組織というファンから
は堪らないコナン映画だ。
透明というのは、色が無いのではなく、
何色にでもなれるという事だと思った。
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