サマンサ

世界の涯ての鼓動のサマンサのレビュー・感想・評価

世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)
3.5
『世界の涯ての鼓動』試写にて鑑賞。

孤独なMI-6諜報員ジェームズと生物数学者ドニーが海辺のホテルで運命の愛に出逢い【人間は水である】を象徴するが如く、海に始まり海へ戻るシーンが印象的。

甘く切ないラブストーリーものかと思いきや、個々が葛藤しながらも見えない底にある暗闇で輝く命を様々な形で守り伝える、困難にも希望を捨てずに信じるなどのメッセージが、戦闘区域と美しい自然という愛し合う2人が赴く任地の対照的なコントラストととともに描かれていた。

2人が【どんな暗闇にも輝く命がある】と危険な任務に身を投じる姿は、水底から未来への微かな希望を感じずにはいられなかった。

そして、マカヴォイとアリシアのラブシーンは良い意味でけしからん程に官能的でドギマギした。

上映後に爆音上映でもお馴染み映画評論家でもある樋口泰人さんによるトークイベントがあり、ヴィム・ヴェンダース監督作品や水中撮影の難しさなどのお話もとても興味深かったです。
水中撮影はお金も技術もかかるのに、ヴェンダース監督はその水中撮影シーンをたったの22日間で撮影されたそう。
お話を伺って、監督の過去作品も観たくなった。
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