テロ組織を壊滅させるドローン作戦の悲劇。
終始、上位の判断者から、下層の組織までに
至る指揮命令の状況が描かれており、
緊迫感を感じる。
ここからは、想像なのだが、日常的に
このようなシーンが現実に存在することを
考えると、いたたまれない心境になる。
軍事面、政治面、人道的な面、対外的な面
あらゆる側面からの判断が、末端の人間の
その指の先にかかってしまう、戦争の恐怖。
映画の中でも、危険にさらされる人数や、
被害率が操作され、緊急的な判断理由に
利用される。
判断の場では、堂々巡りが行われ、
都合のいい理由を見つけ出そうとしている。
この世には、絶対ということは、
起こった過去の真実でしかありえない。
冒頭に、「戦争の最初の被害者は真実である。」
からは始まるが、まさに、そのことが
語らえている。
自分には、感想を言わせないような、切なさ、
虚しさ、だけが残るストーリーだったように思う。
判断した誰もが責められ、誰もが心的傷を負う戦争。
全世界の人々が平和を理解する時代が来るのは、
まだ遠いように感じる映画だった。