地獄突きビグザム

君の名は。の地獄突きビグザムのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

見てきた。正直、ヒットしてるのは知っていたが、いつも映画館は満席。外にも見たい作品があるので、スルーしていた作品。知り合いに誘われ、正直、「いや、俺、外にみたい映画があるけど・・・。」という思いの中、過去に見たアナ雪鑑賞の時と同じ状況で、事前情報なしで鑑賞。
簡単に言うと良くできてた。この世界感は見たことがない。日本書紀の世界感をモチーフに運命、過去・現在をを繋ぐだけでははなく、紡ぐという考え方は私にはない考え方で斬新だった。
外にも物語が始まる時や文節が変わる時、曲が流れるのだがその時の映像の清々しいアニメならではの爽快感。伏線の組紐・酒・黄昏時の使い方。日本古来なのか、運命を紡ぐ考え方や言霊としての名前、言葉の価値を現代のアレンジした工夫。テンポや光の表現等。良いところ、斬新だったところが多かった。
しかし私はおじさんなので、穿った見方をしてしまう。創造力が穿っているから。入れ替わる人物がもっと受け入れられない人だったら?運命は出合いは好い人ならいいけどこの糸が狂った犯罪者と紡ぐ糸だったら、こんなに感動的になるのか?忘れる事の恐ろしさ、忘れたいことは彼らには無いのだろうか?という風にストレートに伝えたい事に対して歪んだ思想フィルターがある私は、正直楽しめなかった。
この映画、とても神話や昔話のような作品。日本書紀のような神話だ。登場人物、誰もがほとんど嘘をつかないのだ。奥寺という人が唯一、軽く現実の人間としての嘘をつくのだが、まるで神話だ。
そこが生きていく上で必要な夢・想い・願いを保つ為に、嘘を自己他者につき続けて今がある自分にとっては共感できないところ。ファンタジーだから良いのかもしれないが・・。映画が終わって、正直、こんな良い世界に行きたいなー。と軽く思った。だからファンタジー。おじさんにはみれない夢。
もしもっと若い時にみたら素直にテーマを受け入れ感動できる映画だとホントに思う。しかしこの映画は良い意味で、見た人の生き方や考え方で印象が異なる映画だと感じる。