たつなみ

君の名は。のたつなみのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.5
予告編を見て、『どうせ入れ替わりもののラブコメなんでしょ?』とナメくさって鑑賞。
確かにベタなラブコメだけど、見せ場に持って行くまでの段取りが上手い!
カップルや家族連れだらけの映画館の中、一人泣きじゃくってしまった(^_^;)

序盤から様々に張り巡らされた伏線をとにかく丁寧に回収していくストーリーは『あ、そうか!』の連続。
『人の絆や想いは決して消えることはない』という、新海誠監督のメッセージが強烈に伝わってくる。

キャラクターは萌えキャラの様な作画であんまり気に入らなかったが、身の回りのガジェットの表現が異常にリアル。
東京の街並みや大自然の雄大な風景など、この映像の素晴らしさは映画館で観るべきレベルだと思う。
先生(ユキちゃん先生というらしい)がチョークで黒板に字を書くところとか、鉛筆で線を書くところなんかはある種異常な位のリアリティを感じた。

部屋を仕切る敷居や、電車や教室のドアのレールといった、『境界』や『仕切り』の表現もとても印象的。
こんな所も何気にストーリーのコンセプトを表している。

田舎特有の理不尽な父権をふりかざすオヤジとか、憧れていた女性がタバコを吸っていた時のガッカリ感といった、あるあるネタも楽しかった。

またしても素晴らしい邦画に出会えた。
Blu-rayを購入して家でムスメと一緒に号泣するぞ!

【10/3 追記】
本作について、ストーリー上の矛盾点を指摘する意見もかなり多いみたいですが、私はそれらが気にならない位、主人公二人に感情移入出来ました。

どんな映画でも、非の打ち所がない作品なんてそうそう無いと思います。
どんなにストーリーが粗くても、『この映画を観て良かった!』と思える様な、心の琴線に触れるシーンが一つでもあれば、それはその人にとって満足出来る作品と言えるのではないかと思います。