ょぅ

君の名は。のょぅのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.8
隕石=ぼく

リア充爆発しろ!と本体から分離して怒り狂いながらあそこに着弾したのは、本作への妬み全開のぼくの気持ちを新海監督が表現してくれたからなのだ…(嘘

いい年した僕ですら、とてもキュンキュンする内容で、見終わった後爽やかな気持ちになれた。心地良い郷愁の念を想起させるパワーに溢れている作品である。

実写の高校生のベタベタな恋愛映画はとても観ちゃいられない僕のようなクズ人間でも、すんなり世界観に没頭できたのがまず凄い。
例えアニメ映画といえども、激しくリアル寄りな地に足ついた恋愛色の濃い
物語だったとしたら僕はこの映画を観なかっただろう。
しかしあろうことか、新海監督はわざわざ僕のようなハリウッド爆発脳の人間のために、町の存亡をかけたハラハラもののディザスタームービー的要素を、本作のすれ違う2人のロマンスに絡ませてくれたのだ。
この要素がまた絶妙で、最後まですれ違う2人に対するヤキモキ感と、極上のロケーションに一役も二役も買っていて、さらに上質なロマンスに昇華させているのだ。

また、低評価のレビューの通り、この映画は細かい粗がいくつもあるし、描写不足なところも確かにある。
代表的なところで言うと、三葉ちゃんがあの場で父親とのわだかまりを解き、どう説得したのか。
でもね、良いじゃない、そこは別にそんなに掘り下げなくても。
ざっくり言ってしまえばこの映画は滝くんと三葉ちゃんのための映画なんだから。
何処の馬の骨とも分からん男がインした娘には絶対に耳を貸さないけど、実の娘の頼みを聞き入れるほどの親心はちゃんとあった。結果でチョロっと断片的に提示されただけだが、この映画はそれでいいのだ。
そういったような描写不足も数々の粗も、あえて見て見ぬ振りをして脳内補完をするのが、これほどの作品を生み出してくれた新海監督への僕の優しさ。(えー

シナリオ良し+キャラクターも良し+声優良し+作画超絶良し+音楽はちょっと歌が多過ぎたけど概ね良し。
それらに加えてこの作品には、あらゆる映画のジャンルを幅広くカバーする度量の広さ・深さがある。
当たるべくして当たった作品である。
これが先日二回目を鑑賞した僕の「君の名は。」の評価である。
ょぅ

ょぅ