ユースケ

君の名は。のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

運命の赤い糸を信じる新海誠が作り出した強力な童貞臭を放つ物語を、日本のジェリー・ブラッカイマーこと川村元気がポップなキャラクターデザインとポップなアニメーションとポップな音楽で強力消臭。
それは、世間が言うほど面白くはなく、映画通が言うほどつまらなくもない、【転校生】と【時をかける少女】と【サマーウォーズ】を足したRADWIMPSの長編PVというよりは大成建設の長編CMのような地図に残る仕事がしたくなる一本。

とりあえず、一刻も早く彗星の衝突から町民を救わなくちゃいけないのに延々と続く恋愛模様にヤキモキし、期待通り作品のタイトルがセリフで交わされるサービス精神満点のラストシーンにゾワゾワ。
物語のご都合主義にケチをつけるのは粋じゃないのでツッコミません。

運命の赤い糸を信じる二人は童貞と処女に違いないとか、幼女の口噛み酒はその手の人には高値で売れるに違いないとか、そんな事ばかり考えていました。絵は綺麗で物語は薄味なので、キングコングの西野亮廣の絵本が好きな人にはオススメです。


追記
劇場公開時の異常な盛り上がりに捻くれ者の私は作品の本質に気付けず、表面上のベタベタなボーイ・ミーツ・ガールの部分だけに注目してこんなレビューを書いていた。
しかし、劇中では全く描かれなかったためにご都合主義だと思い込んでいた町長(ヒロインの父親)の説得と町民の避難のバックにはヒロインの父親と母親の入れ替わりがあった事に気付き、自分の小ささを知りました。
1200年に一度の出会う隕石とそのために先祖代々ヒロインの家系に受け継がれてきた入れ替わりの能力。全てを描かない事によってわかる人にはわかるになりそうなお話をわからない人にもわかるお話に仕上げ、一般人からオタクまで取り込む幅を持たせた本作が日本のアニメ映画で世界歴代興行収入1位となったのは必然だと思いました。星4から星5へ。