まるまる

君の名は。のまるまるのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

正直、なんでこれが売れてるのかわからない。
ストーリー、あまりにもテキトーすぎ。
Radwimpsしか良いとこない。

小学生の頃から、
落ち着きがないと言われてきた僕にとって、
2時間から拘束される
映画館で映画を見る事は、
生来の気質から、もっともかけ離れている行為。
つまらない映画で長い時間拘束されるなんて拷問に等しい。
だけどやはり良いものは見たい!
そんなわけで、本数は少ないけど
事前に評判をリサーチして
これは!という映画は観に行ってました。

この映画も、いくつかのレビューサイト見てから
実際に足を運んだのですが、
世間の評価と自分の評価のギャップに驚いたw

キャラの造形がひどい。
この映画には人間がいない。
なにやら切羽詰まってる初対面の女子高生に
「誰?お前」とか言い放つ中学生。

仲間がいきなりオネエになったのに
まるで驚きも心配もツッコミもしない友人。
それどころか好意を持つとか、
浮世離れっぷりにも程がある。
会話もなにかヨソヨソしいというか
まるで、あまり接点のないクラスメートとか
入りたてのバイト先で知り合った人とのやり取りみたい。

東京の友人はまだいい方で、
驚いたのは田舎の友人たち。
なんだかよくわからないうちに
重大犯罪に手を染めてましたよw
しかも、主犯のミツハは
自分はヤバいことは一切しないという鬼畜ぶりw
こんな奴隷根性というか、
頭の弱い高校生がいていいものだろうかw
ライフライン平然とぶっ壊す演出するような人に
震災がどうとか言ってほしくない。

両方の友人に共通してるのは、
特に何があったわけでもないのに、
どちらも主人公二人には度を越して協力的ということ。
とにかく二人に対してイイ人であり続ける。
というか、イイ人でしかない。

一方、嫌がらせをするだけの奴も出てくる。
東京では、難癖付けてくる客。
インネンつけた挙句、奥寺先輩の服切っちゃったよw
まるで理由がわからない。
これが新海監督のリアルなんだろうか。

田舎では男一人に女二人の三人組同級生。
こいつらも動機がまるで描かれてない。
ミツハは仲間もいるし特にいじめられっ子というわけでもなさそう。
なぜ?に対してまるで想像が働かない。
公共の場である神社で、聞こえよがしに
神事の悪口を言う。
これは田舎社会においては特に、
言う方にとってリスキーなことだろう。
なのに、夜わざわざ三人で
地元民にはめずらしくないであろう神社に
嫌味を言いに出張って来るw
他、けっこうしつこいので、その理由が気になるところだが、
一切理由は明かさず、
机をバタンと蹴り倒したら黙っちゃうとかw
ほんと、この世界はどうなっているんだろう????
ぜーんぶ主人公の為に存在してる。

これなら、自分のリアル時間の方が
よっぽど面白い。

都合が良すぎて、時間がたつほど
スクリーンから興味がそがれてった。
映画によっては、こっちが映画の世界に合わせて
作者の意図を汲むことに集中するけど、
これはちょっとヒドスギル。

奥寺先輩。
モテモテ大学生が高校生に興味示すかね?
すっぴん晒して同じ部屋で男子高校生二人と一泊。
やれやれ。
これも主人公にとって非常に都合がいい。

劇中、田舎に父親が二人出てくるが、
どちらも疎遠で疎ましいだけの父親。
監督には娘がいるそうだけど、
親としてちゃんとやれてるのかね?
なんだかよくわからない折れ方をしたミツハの父親を見た時、
細田守のおおかみこどもの事を思い出した。
あれは良い映画だったなぁと。
スクリーン観ながら他の映画はよかったなぁなんて
上の空になったのは、これが初めて。

Radwimpsは良かった。
アニメ番組の、よくできたOP・EDを見てるようだった。
リズムにキチンとタイミング合わせてカットを割る。
ストーリーやセリフの陳腐さも、すべて吹き飛ばす没入感。
これは行けるかも!
切れかけてた、この映画への気持ちを
Radwimpsが、かろうじて繋いでたよ。

背景が美しいと言う。
実写以上とか。
僕としては、写真をトレースした絵より、
LIFE!や、怒りのMADMAXのように
実写映像をカラグレしたような雰囲気のほうが好き。
手は掛かってるんだろうけど
アニメ職人の技を見たいわけじゃない。
面白いもの、素敵なものが見たいんだ。
水面に映る照り返しに水色のグローかけて、
本質から離れたおかしな装飾ほどこして
「ドヤ?」と悦に入られてもね。

「大事な人、忘れたくない人、忘れちゃだめな人。
 誰だ、誰だ、誰だ、誰だ?名前は〜」
Radwimpsの魔法も吹き飛ばす
強烈な破壊呪文w
なにこの、深夜のラブレター状態w

とことん僕は新海作品に向いてないらしい。

それでもまぁ、
これだけ売れてるんだから
きっとラストはすごいんだろう。
終わりよければすべて良しというしな。
希望は捨てなかった。

彗星きれいじゃん…
雲に赤い光が映って…
こんな速度じゃ地面に穴も開けられないけど…
ミツハの頭の上で砕けた彗星の欠片が
そのまま真っ逆さまに落ちてくるとか有り得ないけど…
そう思うのは
僕の心が汚れてるからだ…
僕が間違っているからだ…

そして、ラスト。
並走する電車の窓越し目が合った。
二人とも何かに気が付いた!
駅に着くやいなや
すぐさま電車から降りて
逆方向に走り出す!
いいぞ!
それで出会えるなんて
ご都合もいいとこだが
この映画はご都合が売りなんだ!
いまさら構わんわー!!

盛り上がったねw
ここではww
一番盛り上がったw
俺の二時間を価値あるものにしてくれええええええ
そういう心の絶叫だったと思う。

階段の両端。
目が合う!
フリーズ!
よっしゃあああああああああ!!!
そうだよな!
恋ってそうだよなっ!
カモン!ゲッチュウ!!

そこまでだった…

目を離す二人。
あんだけあからさまな反応見せといて
何事もなかったかのように平静を装い、
階段で二人はすれ違う。

完全に僕の中で
この映画は終わった。

そこで何もなかったフリができるようなら…
そこで目線が切れるようなら、
そんなの恋でもなんでもないんだよ!

この、あまりにもビッグネームになった監督は、
これまで一度も、身を焦がすような恋をしたことがないのだ。

階段を登りきったところで
タキが声をかける。
涙を流しながら振り返るミツハ。

あーなるほどーそうなんだー
女の子泣かせてふりかえらせたかったんだねー
へへへー
よかったねー
あータバコすいてー

終わった。

https://www.youtube.com/watch?v=e2jsoJ3nUo4#t=3m47s


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平成30年1月7日追記

己の無知を承知で書きますが。
何かの映画の予告編見てたら、なんだかわかった事がある。
新海監督がやりたかった事は、予告編とプロモーションビデオの合いの子を映画にしようとしたんだろうなと。
ストーリーやセリフの繋がりとか全然ないけど面白いw
印象的なカット、印象的な台詞を繋げて、大事なのはBGM、音、テンポ。
時々誘導するようにナレーションがはいる。

個人的には怒りがこみあげてくるほど、よくなかった映画でしたが、なんで怒ってるのか、よくわからなかった。
つまらんと言いつつ、1月3日にやってた地上波放送は「とりあえず観とこ」とか思ったり、録画までした矛盾w
その理由がなんとなくわかってきた。
それは多分、この予告編+PVみたいな演出が、あまりによかったから。

実のところ、僕はその演出に見事に乗せられてたんじゃなかろうかとw
だけど、肝心のシナリオが大ブレーキになってたので「おい、俺の感動の邪魔をするなよ、脚本!!!」と怒りに繋がったんだと思う。


♪まだこの世界は 僕を飼いならしてたいみたいだ
 望み通り良いだろう 美しくもがくよ♪
名前を忘れさせられた絶望と、計画を実行するあたりで掛かる、染みてくるようなRadwimpsの「スパークル」
美しく巨大な、いかんとも動かしようのない風景のカット。
「誰だ、誰だ、誰だ、名前はああああああ」個人的にはぶち壊しでしたが、印象的な台詞にしたかったんですね。狙いはわかったw

♪たがいの砂時計 眺めながらキスをしようよ
「さよなら」から一番遠い 場所で待ち合わせよう♪
遠い約束の場所を歌で提示しながら、スクリーンには懸命に走るミツハ。

♪ついに時は来た
 昨日までは序章の序章で♪
開けた風景にスーパーカブに二人乗りの爽快なカットからの
変電所ドカーンw
♪飛ばし読みでいいから ここからが僕だよ
 経験と知識とカビの生えかかった勇気を持って
 いまだかってないスピードで君の元へダイブを♪
♪まどろみの中で生温いコーラに
 ここでないどっかを夢見たよ♪
変電所ドカーンの余波に狼狽える人々。
事の重大さを描く裏で、迷いはない二人の夢みたいな歌詞。
♪教室の窓の外に
 電車に揺られ運ばれる朝に~♪
「なぁ、見て!」無邪気な子供の声に、美しくも無情な彗星。
♪おお~♪
変なセリフがないと、ほんといいわRadwimps w


普通、映画ってセリフで語られない行間を演出で埋めてく手法を取ってると思うんだけど、新海監督は歌で埋めてく。
通常、行間には観る側の経験なり知識なり「自分」が入るけど、こっちはその代りに、歌い手の「練られた言葉」が入る。
曲・歌詞の熱を被せながら、スリリングな上記の辺のシーケンスを、二人が約束の場所へ辿り着くための試練を描いてるんだと、正しく誘導してった。
なるほど、これはアリ。
惜しむらくは、シナリオがダメすぎたこと(個人的感想です、すいません)

新海監督は、原作付きの漫画家みたいなポジションでやってくれんかなぁ。
別にゴースト使ってもらってもかまわないから。
というか、この演出で映画作る他の監督、どんどん出てきて欲しいです。


…無知を承知で言いますが。
ハリウッドでリメイクするそうですが、向こうに、このRadwimps曲みたく、耽美系というか耽恋愛系でありながら、そんなにクドさを感じさせず、むしろサラッとした力強さを歌いあげてる曲ってあるのかなぁ。
あったとしても、歌詞の字幕読みながらセリフも追えるのかなぁ。
そもそも、歌詞に字幕付けてくれるのかなぁ。
それでも、JJなら。JJなら何とかしてくれる!

♪運命~だとーか未来とかーって
 言ー葉がどーれだけー手をー
 伸ばそうととどーかない
 場所でー僕らー恋ーをするー♪
まるまる

まるまる