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何者のoden8のレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
4.2
あなたは自分のことが分かりますか。

自分が何者か。
あなたは何者なの。

今の時代は、僕らが若い頃を過した20年前よりもネットワークが進歩して自分を表現しやすくなった。それの是非は使い方や受け止め方次第ではあるけど。
現代には、人の目に触れる機会が溢れている。そして、人の目に締め殺されることも多々ある。
故に、今も昔も自分が"何者"であるかを常に自問自答し続けなければならない。

それをこの作品は、分かりやすく就活とSNSで表現されている。
誰もが分からんくなっちゃうよね。こんなに情報が溢れてると。
"自分"すら情報で取繕えば"何者"にでもなれる。けど、それは"何者"でもないとも言える。
指標を外側に向けると、自分が無くなってまうような錯覚に陥るし。
内側に固執すると、鋭利な刃になりかねない。

たまにね。あなたは"こんな人ですよね"という免罪符が欲しくなっちゃうけど。
それも往々にして自分が求めているもんやないもんね。
人は我儘で弱い者。
だから、見栄も張るし、同情を誘ったり、頑張って強がってみたり、泥臭く努力したり、もがいてる。
それでいいんじゃないかなぁ。
"何者"かである必要なんてない気がする。

自分の中で、それなりの"自分"がいればいいよね。

自分大好き野郎の僕には、とても興味深い内容やったなぁ。
矢印が誰から誰に向くかによって、万華鏡の様に観え方は変化するもんね。

一つ言えることは、深夜に真っ暗な部屋でみる作品やなかったな。

cast(役者·キャラ) 4.5
story(物語) 5 
architecture(構成) 4
Picture(画) 3.5
acoustic (音) 4
22-201
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