ライムスター宇多丸氏が大絶賛していたので鑑賞。
ずうっと前に自分が就活していた頃を思い出し、共感出来る場面が多々ある作品だった。
キャスト全員の演技は素晴らしく、一人一人が特徴的な役割を見事に演じている。
強調されていた『どんでん返し』はそれ程衝撃的ではないものの、伏線回収としてはなかなか良かったと思う。
あれだけ毎日が楽しく、可能性に満ち溢れていた大学生活が、突如『就活』によって180度転換していく。
社会に出て『何者か』になる為に、皆一心不乱に自分を着飾る。
これまでの自分を肯定してもらう為に。
私も就活中に世の中を達観して知った風な事を言う友人とぶつかり合ったことがある。
集団面接で歯の浮くような事を言ってるヤツに胸糞悪くなったこともある。
SNSやツイッターが当たり前の現代。
就活生の妬みや苛立ちが、何の悪気もなくドス黒い形でそれらに向かって行くのは底知れない恐怖を感じた。
でも『自分は他の奴とは違う』って気持ち、すっごく良くわかる。
誰だって自分が人生という物語の主人公でいたいと願う。
でもいつか一人一人が自分自身を冷静に見つめ直し、確実に『社会』という現実に向き合わなければならなくなる時が来る。
宇多丸氏もタマフルで触れていたが、
『青春が終わる。人生が始まる。』
というキャッチコピーは、見事に本作のコンセプトを表していると感じた。
