ぶみ

パラドクスのぶみのレビュー・感想・評価

パラドクス(2014年製作の映画)
3.5
脱出できるか!?

アイザック・エスバン監督、脚本、ラウル・メンデス、ナイレア・ノルビンド等の共演によるメキシコ製作のスリラー。
無限に繰り返される空間に閉じ込められた人々の姿を描く。
現在上映中の同監督作品『イビルアイ』が、なかなか印象に残る内容であったため、同監督の長編デビュー作となる本作品をチョイス。
冒頭、ウェディングドレスを身に纏った老婆が横たわるシーンでスタート、次には、犯罪者兄弟と彼等を追う刑事が、1階の階段を下りると最上階の9階へループしてしまう謎のビルに閉じこまれてしまう姿が、そしてそれが突然終わったかと思うと、大陸横断中の家族四人が、延々と同じ道をループして走る姿が描かれるという、何とも謎めいたソリッドシチュエーションスリラーとして中盤まで展開し、ここまででも、その設定自体大変面白いもの。
そろそろ、そのループに飽きてきたかなと思ってきた頃に、再びビルのシーンに戻ることとなるのだが、そこから先は、想像の遥か斜め上を行く展開が待っており、それは絶望であり、シュールであり、時に笑えない笑いありと、カオス状態。
これ以上はネタバレとなってしまうため、あまり書くことはできないが、強引な展開や、考察なしではよくわからないシーンがあるものの、登場人物に待ち受ける結末は、実は人生の真理を突いているのではと思わせてくれる珍作。

アカトランの迷路を覚えてるか?
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