このレビューはネタバレを含みます
時間がループするタイムリープものは良くあるが、空間がループしていて抜け出せないというのは中々珍しい。
漫画やアニメなんかでは見かける設定だが映画でって他に中々思い出せない。
『チェンソーマン』でホテルに閉じ込められる話があったが作者が今作をモデルにしてると公言してるらしい。
若者、中年、生贄という3つの役割を与えられ、それらが社会の為の歯車となっている。的な社会風刺でありそれをシチュエーションスリラー&ループものという物語としての面白さに落とし込んでいるのはお見事。
だけれども活力のある若者と自堕落な中年という対比が極端すぎたり、大事な種明かしパートを口でがーっと説明する感じで白けたりと残念な部分も目立つ。
エスカレーターで息絶える花嫁衣裳の老婆、35年の時が経った後の階段の壁画(?)や積み上げられた物資、などなどギョッとする様な映像も随所にあった。