タコさんウィンナー

KUBO/クボ 二本の弦の秘密のタコさんウィンナーのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
4.1
日本的な世界観を取り扱った驚異のストップモーションアニメ超大作!

久しぶりに映画館でちょっと泣いた。

まず特筆すべきは狂気を感じるほど繊細な動きを見せるストップモーションアニメ。ファーストシークエンスの時点ですごすぎて引きました(笑)
折り紙を使ったアクションから細かい表情の機微まで、「あれ…これCGだっけ?」と思うほどハイクオリティに作り上げられています。しかもハイクオリティなだけじゃなくて、ちゃんとストップモーションならではの生っぽさがあるんですよ!
変形等の、ストップモーションならではの魅力が満載でした!

そしてもう1つは日本文化描写。民俗学者のアドバイザーでも入ってんのかと思うほどしっかりしたお盆描写。日本的死生観をテーマにからめるその手口。日本人があまり参加していないのが不思議なほど日本的な映画でした。

最後に、物語。
これは物語ることの意味を問う物語なんです。
私はこういうのに、めちゃ弱い!(笑)
泣きましたね〜、ラスト。村社会的世界観とか子どもと家族の冒険譚とか、そういうところにからめて物語ることの意味を語っていました。テーマと世界観とやりたい表現の一致が素晴らしい!
ただ、主人公が途中まで若干受動的で変化が弱いように見えたり、ラスボスの処理が腑に落ちない形になっていたりと、わりと気になるところもありました。特にラストで泣いた後のあの展開はちょっと……。根本的な問題解決してなくない?って気もしました。

でも何はともあれ総合的にみれば名作なのは間違いないかと思います!
意外とまだ上映してるので映画館に急ぎましょう!