明石です

ゴダールの探偵の明石ですのレビュー・感想・評価

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)
3.4
これはすこぶる評価が難しい映画ですねえ、はてしなく連なる断片の集積。「探偵」というくらいだから、何らかの事件を誰かが(たぶん探偵が)明晰な思考やら行き届いた調査力やら何やかやで解決するみたいな、ひとつのまとまったストーリーがあるのかと想像してたらそんなものはなくて、ゴダールらしいアフォリズムに満ちた台詞も、何処へ向かうのやら判然としない物語の中ではあまり映えず。やはり初期作品のような曲がりなりにも一本筋の通ったストーリーがある方が、私のような(という大方の映画鑑賞者と同じように)論理を期待して作品を見る人には易しいですね。

正直面白いとは思わなかったけど、駄作とすっぱり切れるほどにはこの映画を理解できていないというのが本音で、というより理解できる人が殆どいない、でもなんとなく深淵な思想でもって作られてそうな感じがある。だからこそ、この何とも言えない(ゴダールの映画の中ではかなり控えめな)評価に落ち着いてるんだろうなと推測する。ショパンやシューベルトなどクラシック音楽の挿入が本作の個性みたいだだけど、これまたこの監督らしく音の大小を伴いつつ断片だけで挿入されるクラシック音楽は、なんだか予告編だけ見せられる大作映画みたいな感じで、あわや耳障りの一歩手前、、あんまり聴いてて気持ちの良いものではなかった笑。てなわけでしばらくグッバイゴダールする。
明石です

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