海よりもまだ深くの先生のネタバレレビュー・内容・結末

脚本が秀逸だなあと感じる。セリフの一つ一つが良い。主人公が小説家というのもあるのかもしれない。

家族とは何か。離婚しても父親には変わらないし、どんなにダメでも親子で姉弟。なあなあ許しちゃうし、許せないから離れたし。ただの日常なのに、なんか良いなあという感覚になる。

阿部寛のせこさが良い。息子の靴買う時にわざと汚して値引きをはかるところが最高にせこい。息子を使って、新しい彼氏のことを探ろうとするし、味方につけようとする。ひどい親だ。別れた奥さんだって、別れた夫の家に一晩泊まるの気詰まりだし、新しい彼氏のこと聞かれるし、迫られるしで、最悪すぎる。それを軽やかに描いてる。真木よう子だから、強くいられるけど、違う雰囲気でこれやったら恐怖以外なにものでもない。外は台風で息子がいて逃げ場がない。

最後、硯は結局売らなかったのだろう。背筋を伸ばすところが良かったな。売らなかったからお金が無くてやっぱり養育費は払えなくて、でもなんか大丈夫、というラスト。