猫

ある戦争の猫のレビュー・感想・評価

ある戦争(2015年製作の映画)
3.9
自分だったらどうしていたか?を考える。
『ハドソン川の奇跡』でもそうだが、その場にいなかった人は、冷静な判断が出来る。追い詰められている人間の判断を外の人間が問えるのか?
でも、この映画の主題はそういう事ではなく
そうなってしまった理由が何なのか?と言う事だろう。
部分的には、妻の判断に少しだけ不快感がある。それは多分
日本では父親無しの子育てなんて、当たり前に近いからと言う事と、彼女の言い分が私の倫理観に合わないからだ。
でも、やはりこの映画の主題はそういう事ではなく
いわゆる普通の生活を壊す、派遣軍の存在を問うているのだ。
後半部分ばかりに触れてしまったが、のっけの衝撃は『プライベート・ライアン』以来。
生々しさ、不条理さが、よく描かれていたと思う。射撃のシーンでは、本当にそれが正義なのか?と
疑問に思った。
何のために此処にいるのか?この仕事をしているのか?その感覚が麻痺しないことを願う。
 2016.11.10 名演小劇場にて鑑賞
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