主役であるはずの可愛かずみが最後になるまで脱がないしエロシーンを一切やらないっておかしいんじゃないかとモヤモヤした気分になりながら見ていたが、それでも可愛の母親役である当時熟女タイプの女優として活躍していた杉佳代子のエロさとイヤらしい実質的な主役の大学講師下元史朗の変態演技で強引にポルノとして成立させる渡辺護監督のちょっと強引な職人技には感心する。なにより男が狙っていた少女をモノにするため、母親を籠絡してから娘をいただくというストーカー物語を80年代にやっているのが目新しい。
でも小水一男脚本による場当たりとしかいいようのない都合のよすぎる展開と性急というにもほどがある後半の流れが凄すぎて盛り上がらなかったけどね、そしてオチがそこにたどり着くことはわかっていても気持ち悪い。ただデビューしたての可愛かずみと下元史朗の怪演、80年代初期の東京の風景は一見の価値あり。
ちなみに可愛かずみという芸能人は私が幼少の頃テレビ番組で活躍していたらしいのだが、残念ながらまったく記憶がなくてこの映画を見ても彼女がブラウン管に出ている姿を思い浮かべることは出来なかった。それでも唯一、彼女が若くして死を遂げたニュースは何となく覚えていて映画での初々しくも輝いている彼女が芸能の世界で生きるのに疲れはてたかのように消えていったのかと思うと少し切なくなる。
