「もっと話がしたかったんだ...君と。
たぶん....それだけ。」
“しょう”子と“しょう”也、同じ名前がある
二人だけれど、
ボタンの掛け違いのような二人。
将也のこのセリフが
この映画のテーマだと思いました。
それは、現代における、
対話力やコミュニケーション不足への警鐘でもあり、
人に対する思いやりとは、
ただ表面的に優しくすることではなくて、
もっともっと
相手の視点に立ち、相手の目となり、
相手の声を聞き、相手の声となっていくことが、
人としての本当の思いやりの一つであると思いました。
それは、
自分の視点や自分の声だけで、
相手のことを理解した気になり、
相手を勝手に判断し、解釈してしまうことは
傲慢であり、人として間違っているんだと、
この映画で気付かされました。
余談ですが、
いじめのシーンの曲やaikoさんのテーマ曲
はアンバランスな印象を抱きますが、
それこそこの映画のテーマと合っていたなと思いました。
そして、
日本三大アニメ制作会社との呼び声高い
京都アニメーション制作の映画だけに、
川沿いにかかる桜や、打ち上げ花火、
夕日と影のコントラスト等とても綺麗でした。
◯印象に残ったお芝居
・将也の小学生時代を、
女優の松岡茉優さんが演じられています。
声で子供の素直な感情を真っ直に表現されている
演技力が素晴らしかったです。
・声優の早見沙織さんのお芝居。
聴覚障害者の方の話し方の特徴を
自分の中に取り込み、
すごく研究されているのだと思いました。