このレビューはネタバレを含みます
日本の相撲部屋の浴場へタイムスリップし
再び、現代の日本に現れたルシウス。
そこで目の当たりする、
平たい顔族の、和製・グラディエーター
(日本の国技の相撲)にヒントを得て、
ローマのグラディエーター用の、
新たなテルマエ(浴場)を作り、
人と人が殺し合う残虐な見世物だった競技を一変してみせた。
例えば、相撲取りの“まげ”の文化を真似て
グラディエーター達の頭のてっぺんに“ズッキーニ”を付けさせたり、
試合終わりに硬いものを投げるのをやめさせ、
座布団を投げさせたりと、
コロッセオは安穏な雰囲気と化した。
私たちにとっては相撲は馴染みのある文化だが、
それを違う角度で、一つ一つ真剣に解釈し、
納得する安定のルシウスに、今回も笑わされた。
日本人も、ペリーが来航し、鎖国が終わり、
のちに文明開花とよばれる
洋を生活に取り入れるようになった歴史がある。
きっと当時の日本人の反応も、ルシウスのように
目をキラキラと輝かせていたに違いない。
面白かった小ネタのシーンは
タイムトラベル中に歌う、テノール歌手の外人の方にも
妻と子に逃げられ、でも最後は戻ってきた等
ストーリー性が見れたところと、
大相撲・横綱の曙さんが(アケボニウスとして)
出演していたり、同じく
大相撲力士の琴欧洲が(コトオシュヌスとして)
出演していたのにはびっくり&強い&笑いました。
なにはともあれ、
温泉設計を通して、国のために、王のために
人事を尽くしたローマ人・ルシウスの生き様
はとてもカッコ良かった。
ケイオニウスも、ただの女好きじゃなくて
結核を患いながらも、
世のため、ローマのため、人民のために
最後まで戦う情熱あふれるカッコ良い闘士でした。
そして、最後ルシウスとの出会いを題材に、
漫画を仕上げ、連載が決まった時の真実の気持ちは
わたしも嬉しかった。
自分と重ね合わせた。
私も頑張ろう(^^)
◯印象に残ったお芝居
・「命あるものに必ず別れは訪れる。」
と真実へ伝えるルシウスのセリフ。
自分にも言い聞かせているようで、
強い意志の中にも寂しさが垣間見えた。