このレビューはネタバレを含みます
原作厨になりたくないのはやまやまなんですけども。
<原作厨目線感想>
別物として楽しむ、ってのが正解なんだけど、自分の中でこの作品は「聴覚障害をきっかけにした若者のコミュニケーション」が主題である面が強いと思ってて。
映画の時間だとどうしても中途半端になってしまって「障害・いじめ」と「友情・コミュニケーション」のどちらがテーマなのか分からなくなってしまったという印象。どっちもって言ってしまえばそれまでだけど。
障害に重きを置くなら西宮一家の葛藤はもっと綿密に描くべきだったと思うし、コミュニケーションに重きを置くなら石田入院時のそれぞれの心中を省くべきではなかったと思う。真柴が本当に部外者みてえになっちまった。
川井はどっちにしてもあのまんまの馬鹿なんだけど千羽鶴の件が無いから原作よりも嫌な奴で終わった。
先生も単純なクズじゃなくてちゃんと障害者観・教育観持ってるクズなんだけどね。
<映画のみ目線感想>
最初自殺しかけてお母さんが問いただすとこはほんとに泣く。その他写真剥がすとことか随所で鼻水出して泣く。両母親がほんとに良いキャラ。
ラストのバッテン剥がれる演出も良かったね、映像も音響もタイミングも完璧。
西宮の声優凄すぎ、絶妙な発声。聞き取れなきゃいけないとこは上手いこと聞き取れるという。
「傍観者も加害者」理論って個人的に大嫌いなんですけど川井は終わってる。また川井の話しちゃった。
植野みたいな人間はすげえ一杯居ると思う。行動に出ないだけで考え方としてはメジャーなのでは。だからはっきり共感する人と嫌いな人で分かれそう。
誰が悪いか悪くないかとか議論が捗るけど小学生時代は誰も悪くない。強いて言えば運が悪い。小学生なんてあんなもんでしょ。植野と川井の違いはそこ。川井だけ小学生のまま。
まとめ方が分からないのでとりあえず佐原が可愛かった。