噂に違わぬ傑作。
映画を観た後原作を読んだのだが、やはりこれは基となる原作の素晴らしさが多くを占めているのだとな思った。
過去に人を傷つけてしまった、或いは傷つけられた事へのわだかまりを抱えた人間の心情を様々なエピソードによって語っていく構成の見事さ。
映画は全7巻の内容を約130分に纏める為に主人公将也の視点を中心にして、その他の登場人物達に関するエピソードは省かれている。
その為原作の持つ多面性は失われているが、その分一つ一つのエピソードはじっくり丁寧に描かれている。
出来れば、映画の成功を受けてテレビシリーズで原作のエピソードを忠実に描きなおしたものも見て観たい。
2016年10月10日イオンシネマ金沢フォーラスにて2回目の鑑賞。
原作を読んでから鑑賞すると、違いに色々と気づくと共に一本の映画としてとても上手く纏めてある事に感心する。
あと映画オリジナルとして病院の検査室でのシーンを入れ込むことで、硝子の聴力が今も悪化しており片耳は聴こえなくなっているという事が示される。
これによって硝子の苦しみがよりはっきりと分かる良い改変だと思う。