LaSalsa

ウィッチのLaSalsaのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
3.4
極貧家族の悲惨な末路。プチ鬱になる映画。
学もなく、金もなく、心も絆も弱いし運もない一家。母親は子を愛する気持ちは強いがムラがあり、ややもすれば感情的である。女性特有と言えなくもないが、この環境で感情に任せた行動をし続ければ家族を失うよ、と思っていたら本当に全て失う羽目に。旦那はまだしも理性的だがこちらもバカとくる。一つもいいとこのない家族なのだ。

魔女がいなくても、状況が少しでも悪くなればいずれ勝手に崩壊する家族だったと言って差し支えない。魔女の影響がなかったとはいえないが、裕福な家族が理不尽に転落していくのであればまだしも…、そんなんじゃねーからなぁ。多分ね、ウィッチっていう存在は示されるんだけどね、そうじゃない。ウィッチの概念が家族を壊した、ということかと。

ただ、、この時代、こういうレベル1の家族は多かったのではないだろうか。場面転換は乏しく、限られた登場人物で映画としてのダイナミクスには欠けるものの、設定時代のリアルさや不気味な演出、個々の演技力の高さが弱点を補っていた。おそらくこの時代のフツーの人たち階層の厳しい生活を垣間見れる、良い作品だなと感じました。
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