ハッピーアイスクリーム

ウィッチのハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
4.0
敬虔なキリスト教徒の生活にのっとった生活を送るため、村はずれの森の荒地に引っ越してきた一家が末っ子の赤ん坊の行方不明をキッカケに不可解な現象に見舞われるホラー。

ヤギの悪夢。

サンダンス映画祭で監督賞を受賞したロバート・エガースの長編初監督作品。
『スプリット』のアニャ・テイラー=ジョイ主演。

なかなかの問題作でした。
『哭声/コクソン』『マザー!』を彷彿とさせる人間の狂気と心の闇。
鑑賞前にはある程度心の準備をした方が良いかと思います。

17世紀のニューイングランドという、悪魔や魔女の存在が信じられ、信仰が強かった時代だからこそ起きた狂気の沙汰。
実際の民話を参考に作られたらしく、疑心暗鬼から徐々に狂い始める展開にリアルな怖さを感じた。また不協和音な音楽が怖い。

少女を魔女に仕立て上げるのが他人ではなく家族だというのはキツイなと思う。
銀のコップを巡るやり取りや、貧しさからもこの家族が最初から破滅に向かっていたのがよく分かる。

信じれば信じるほど些細な疑惑で崩壊する。それが信仰や形のないものなら尚更。

お兄ちゃんを囲んで祈るシーンとラストの異様さは衝撃。

神も魔女も生み出すのは人間。