頭の上の赤い林檎

ぼくは明日、昨日のきみとデートするの頭の上の赤い林檎のレビュー・感想・評価

1.1
 久しぶりに時間を浪費してしまった。

 まず、設定。時間を遡る別次元のえみと我々と同じ時を歩むたかとし。この2人の決して重なる事のない切ない人生。斬新だし仕掛けが分かった時面白いし惹かれた。

 が、駄目だ。ここからはかなり個人的な意見。

 まず、えみにとっての30日目、たかとしにとっての1日目。
 全てを知っているえみは涙するのだが、あの程度の涙なのだろうか。これからを予期して何も知らず微笑む、愛するたかとしを見てその程度の涙で堪えられるわけがないと思うのだが。

 たかとしはあまりにも簡単に恋に酔いすぎだ。
 恋愛経験がない。過去で運命のえみと既に邂逅している。様々な要因はある。が、えみに惚れるのが簡単すぎやしないだろうか。チョロすぎないだろうか。恋をするということに酔っている。まあそこから始まる本当の恋もあるのだが。それにしても違和感をかなり感じた。

 残酷な運命を知ったえみとたかとしにそれぞれ綺麗な感情しか芽生えないのが違和感。
 各々5年に一度、しかもたった30日しか会えない。そのうちの30日しか恋人でいられない。
 にも関わらず、相手が自分を忘れて子供に退化していくその先の人生まで綺麗な感情しか見せないのが違和感しかない。
 人の愛、純粋な気持ちはもがき苦しんで汚れた感情の上に成るからこそ尊く輝くものなのではないだろうか。

 アイデア自体が、というか原作が良いからこそ、雑な部分が際立ってしまい非常に残念。

 これでは福士くんと小松菜奈、それからback numberを売るためだけに利用されたと思われても仕方がない。

 福士くんで言えば、30日の中でまるで別人のように垢抜け、成長する様子を容姿から内面まで完璧に表現されていて、やはりスターなのだと驚かされた。素晴らしい。

 他にも、京都の美しい冬の優しい日差しに溢れた町並みは見もの。この作品を見て京都に行きたくなる人もいるかもしれない。

 ストーリー目的か原作読んで見るか迷っている方は見なくて良いです。もっと良い作品は沢山あります。

 最後になりますが極めて個人的な意見ですので、気分害されたら申し訳ございません。