ユースケ

10 クローバーフィールド・レーンのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

地下シェルターを舞台に、 監禁された女ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)、監禁する男ハワード(ジョン・グッドマン)、監禁されにきた男エメット(ジョン・ギャラガー・Jr)の三人が繰り広げる密室劇。

みどころは、やたらと支配的でやたらとキレやすいサイコ野郎のオヤジを演じた全然グッドマンじゃないジョン・グッドマンの怪演。
地下シェルターからの脱出作戦に気付いてからの【サンタが街にやってくる】の歌詞を引用した脅しや何でも溶かす過塩素酸を使った脅しが醸し出す緊張感と絶望感はたまりません。The Excitersの【Tell Him】に合わせてリズムを刻む姿もヒゲを剃り上げて本気モードのキメ顔もヤバいヤバい。

更に、緊張と緩和を積み重ねて疑心暗鬼を煽る演出やTommy James and the Shondellsの【I Think We're Alone Now(ふたりの世界)】、The Excitersの【Tell Him】、【プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角】など、場面に合わせた音楽や映画からの引用も秀逸。

とにかく、単なる密室劇で終わらせてもいいのに、謎の生物を登場させるクライマックスの怒涛の展開は必見。
【ダイ・ハード】のジョン・マクレーンのようにタンクトップ一丁でダクトの中を這いずり回り、【遊星からの物体X】のマクレディのように怪物とタイマンを張り、シェルターの中のサイコ野郎もシェルターの外の謎の生物も爆殺する戦う女と化したメアリー・エリザベス・ウィンステッドの姿にシビれました。さすが、通好みの映画に出演し続ける彼女が選んだ映画だけの事はあります。

プロデューサーを務めたJ・J・エイブラムスが、本作と【クローバーフィールド/HAKAISHA】は血の繋がった映画であると語っていたので、繋がりを血眼になって探し回りましたが、確認できたのは食卓に並ぶ清涼飲料水スラッシュオと日系企業タグルアトからの手紙くらいでした。
続編は、劇中に登場した映画【人食いヒコーキ】の映像化でよろしくお願い致します。

とりあえず、ネタバレ全開の国内版のポスターやDVD&Blu-rayのジャケットを作った奴は過塩素酸でボディを透明にしてあげるね。