道人

KING OF PRISM by PrettyRhythmの道人のレビュー・感想・評価

KING OF PRISM by PrettyRhythm(2016年製作の映画)
3.0
【2016.05.03 劇場観賞】

 『KING OF PRISM by PrettyRhythm』…興味はあったもののなかなか行くタイミングをつかめずにいた私の元に、まさかの柏キネマ旬報シアターで期間限定上映との報が!…ありがとうキネ旬シアター。そういえばキネ旬シアターで全席指定タイプの上映観るのは初めてだったなぁ。

 キンプリは元になった「プリティーリズム」も未見なので、本当になんにも知らないまま観に行きました。劇場版ラブライブ!も同じような感じで観に行きましたが、両方ともしっかり楽しめたのは凄い。さすがに応援上映は物見遊山気分で足を踏み入れては行けない領域な気がしたので(笑)、通常上映で観賞です。
 劇場に入った瞬間から私の場違い感がハンパなかったんですが、近くの女の子達が「空腹時の方が感受性が豊かになる気がするから、プリズムの煌めきを全身で受け止めるために昼食おさえ目にしてきた」とか話してて、ガチ精鋭感が漂う…。
 こんな会話を上映前に聞いてしまったので「こいつぁ物見遊山気分で来ちまった私はとんだ失礼を…気を引き締めなきゃあ!」と思って…(`・ω・´) シャキーン こんな表情で観賞に臨んだんですが…開幕五分くらいで全裸の洗礼を受け、腹筋と表情筋が崩壊してしまいました。

 開始五分程で全裸になる少年(イメージ映像)を目撃し「なんか分からんが凄い」というプリズムの煌めきというか渦巻きに飲み込まれたまま、これまた全裸で天下取ったる宣言をする法月仁総帥の勇姿のラストまで、あっという間の約1時間でした。
「自転車」「全裸無限ハグ」「尻から蜂蜜」「EZ DO DANCE」「セロリ」「風呂」…なんか断片的なキーワードは出てくるものの、まとまった感想にするのが難しいんですが、私がアイドルものに求める「受け継がれる“憧れ”」とうものをきっちり描いてくれるので観賞後とてもいい気持ちになります。
 なにより、プリズムショーの世界に新たに足を踏み入れる主人公の一条シンがとても気持ちのいい少年なので(前知識ゼロで観に行った私と気持ちの上でもシンクロしてくれるので)、彼視点で進む物語も、彼が笑顔でぐいぐい牽引してくれるおかげで、爽快です。なんていうか『サクラ大戦』の大神さんみたいな。

 『キンプリ』は男性ヲタから見ると自分がギャルゲーなどで耽溺して来た要素「カヲルくん…じゃなかった謎の美少女との出会い」「性別不明な美形」「ラッキースケベ」「頼れる先輩」「自分(プレイヤー)に眠る秘められた天性」「眩しい世界からの承認」等々、それを女性向けでやるとこうなるのか…全員美少年でやられるとこうなるのか!というものを突きつけられるようで、「女性向け」という違う世界を覗いているのに既視感があってとても気恥ずかしいんですが(笑)、そんな要素を全力でやられたら、こっちも好きにならざるを得ない、全力で楽しんじゃうよ!というテンションになりますね。

 私的にはストリート系の…カヅキvsアレクのダンスバトルが最高に盛り上がりまして…「EZ DO DANCE」という選曲がまぁ小室世代である私をまず直撃し(アレンジがまた格好いいんだ!)…そしてこのダンスバトルの既視感…これまた大好きだったゲーム『バスト ア ムーブ』だこれ!
 ストリート系のダンスバトルはなんか男の子が好きなもの(『聖闘士星矢』的なトランスフォーム、オーラ(気)バトル、『遊戯王』的な攻撃力の視覚化、果ては野球拳というか脱衣麻雀的なものまで)もぎっちぎっち詰まってて、ダンスで竜が出て来てもオールOKさ!なテンションになる…そりゃ自爆もする。観てるこっちも腹筋が6つに割れる。

 素晴らしい演技を見せてくれる声優陣、私が知らない若手中心なのかな…と思って観てたら関俊彦さんの声が聞こえて来た時の安心感(笑)。あと風呂の人が浪川大輔さんで思わせぶりなバーテンさんが森久保祥太郎さんで、狂気の笑顔マニアが三木眞一郎さんで…私の世代はこの辺聞くと落ち着きます(笑)。
 そんな中、このいい低音…どこかで…大和アレクサンダー役が武内駿輔さんじゃないですか!デレマスの武内Pの実直な演技とは違うオラついた演技でも格好いいなぁ!そして太鼓の達人などの音ゲープレイで見せていた抜群のリズム感覚も生きているのか、すっごく歌が上手い!ちょっとゾクッと来ましたよ。

(´-`).。oO(あと自分的にエンドロールまで見届けてちょっとグッときたのが、プリズムの煌めきを現す劇中歌の作詞が三重野瞳さんだったこと。三重野さんっていたら、私の世代に取っては「アニメとの親和性が高いアイドル」の象徴だったわけで。そんな彼女が今、アイドルアニメの歌の作詞やってるんだ…いいなぁ。)
 
道人

道人