道人

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生の道人のレビュー・感想・評価

3.0
もう、クイニーとクリーデンスの頬を( 'д'⊂彡☆))Д´) パーンとやりたくってしかたなかった。二人の辛さも分かるけど、すぐそばにきみの「青い鳥」がいるのに。絶対あっち側にいったら幸せになれないのに、って感じで止めたかったです。残される側に感情移入しがちな自分の心持ちも大きいとは思うんですが…(グリンデルバルドのあの演説会、彼は脱獄囚のはずなのに、なんで違法性はないんだろう…)。

私がファンタビで一番好きなのはノー・マジのジェイコブだから、彼に一番感情移入して観ていたんですが、魔法によって「自分の気持ちや記憶」が操られてしまうことを体験した後でも、彼だけ一生懸命に「また四人で仲良くやろう」って言い続けているのが、愛おしくもちょっと辛かったですね。

なんとなく私が好きだった前作の空気からがらり、ぐらりと変わってしまって寂しさもあるし、また魔法使いの「血」の物語になってきて、ノーマジとの交流よりも魔法大戦になってきている感じ。リストレンジという家名(あの女性だけ花で現す家系図の哀しい美しさ)やナギニという「蛇」の名などハリポタとの不穏なリンクも見え隠れしてだいぶダークな感じになってきました。若いマクゴナガル先生がちょっと出てきたのは嬉しかったなー(ダンブルドアの防衛術の授業で相手をしてもらっていた、妙に存在感のあるぽっちゃり君は誰だろう。マクゴナガル先生に名前呼ばれてた気がするけど)。

あと、ハリポタではどんな大魔法でも小さな杖で発動するのがちょっと面白い(滑稽な)絵に見えてしまうことがあったんですが、グリンデルバルドが蒼い炎を操る際の杖はとてもいい仕事してた。邪悪な交響曲の指揮者っぽくて。蒼い炎に包まれるリタも、無残だけど美しかったな…。不幸や自責の念が美しさを磨いてしまったタイプの女性・リタは綺麗だったなぁ(演じてたゾーイ・クラヴィッツって、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトーストだ!)。

あ、私が一番驚いたのは老錬金術士の名が明かされた瞬間で(まさかの賢者の石の人!…彼が本を通じて話していた女性は誰だろう)、一番燃えたのは杖を地に突き刺す多人数魔法陣と蒼い炎との攻防シーンでした。あと兄貴とのハグ。

チャーミングダークセクシーな若きダンブルドアにジュード・ロウを持ってきたのは素晴らし配役だと思うし、ニュートの「彼は魔法動物を甘く見ている」という穏やかな彼からすると思いの外強い言葉がどうなっていくのかも気になるし、なんだかんだで次作も楽しみです。ジェイコブのほかほかパン屋物語成分も欲しいけどね。切実に欲しいですけどね。

【2018.12.02 劇場観賞(2D字幕)/TCX・Dolby Atmos】
字幕 岸田恵子さん

【パンフレット】820円 
本編から引用される写真やフォントのチョイスが絶妙で、全体的な色のトーンも含めて、とてもシックで丁寧な、過不足のない仕上がりです。人物相関図や勢力図があると、もっと良かったかなー。
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