Jude

シング・ストリート 未来へのうたのJudeのレビュー・感想・評価

4.0
ああそうか、これは愛するお兄ちゃんを描きたかったのか

監督の自伝的な青春映画と思っていたら
エンドロールになった瞬間に出た、”すべての兄弟に捧げる”ではっとして、納得した


初恋、いじめ、
学校や社会、家族の抑圧と閉塞感へのやるせなさ、
青春
ふんふん、あらすじ通りそれをバンド(音楽)を通して、
乗り越えて、突き抜けて、成長していくんだなと思ってたら
鑑賞途中から、何故かお兄ちゃんの出番に無意識に好意的に、いいなあと感じている事に気付き始める

第一印象はあんな腐って、暴れそうで、
喧嘩ばかりの父母とセットの皮肉屋ダメ兄と思ったのに
毎度めっちゃいいアドバイスと、お母さんの事をきちんと見ている姿、
怒ったのも、おれがジャングルを先頭で切り拓いてきたんだと
ああ、辛かったんだな、ずっと爆発しそうだったのを長男だから耐えてきたんだなと、トイレでそっと泣く主人公と同じ気持ちになった

そして、ラスト
主人公の恋の成就と未来への旅立ち〜の中の、お兄ちゃんの最高の活躍と愛情
黙ってハグの手を差し出す、心配で心配で仕方ない表情、船が見えなくなるまで見守って、ガッツして、車の中でひとりどんな気持ちだったのか
からの件のエンドロールメッセージ…
(気にしてなかったはじまりのうたのエンドロールの、兄ジムに捧ぐ、がここにきて繋がって効いた)
音楽と青春を通じての兄弟愛の映画だった
青春映画のみで感想終わってたら、もう少しスコア低かった

“弟を頼む、オレ無しじゃ心配だ”
“素敵な兄貴”
そう、素敵な兄貴
(もう、ルフィとエースがちらついた笑)



あとは、主人公も、英語わかんないけど気付くくらい明らかに訛ってるのもにくいガールフレンドも
バンドメンバーもいちいちキャストが素敵だった
チビにメガネに赤毛に、最高のボーイズ


私は、はじまりのうたの方が好きだったけど
男の子は色々自分の青春と重ね合わせれるところあるんだろうな

そして、はじまりのうた同様、未来をはっきり描かないけど、
決して明日を悲観的でなく希望をもってる監督だなと感じた
思いがけず、前作を見たことが効いてくる作品でした!
Jude

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