そそるタイトル。いかしたジャケ。おしゃれなサスペンス物を想像して観たら、本当にネコが死ぬ話でした。
飼い猫を殺された青年の犯人探しなのだけど、この主人公、マザコンで、しかも引きこもり。
とくに前半、甲高い声で、謎のカーディガン(実家のコタツ布団みたいな)をずっと羽織りながら、独自捜査と言う名の不法侵入を繰り返す姿に「いいから働けよ」と言う言葉がここまで出かかるが、そこを我慢すると、この物語は意外な盛り上がりを見せる。
可愛がっていたネコの死をきっかけに、本気で物事を考え、本気で苦悩しながら、一歩ずつ踏み出していく姿が清々しく、それが見た目にも現れてくるのが、映画的で面白かった。
自分にとって必要と思っていた物が、実は自分の足枷になっているなんてこと、あるよね。髪でも切ろうかな。