ノッチ

ファンタズムのノッチのレビュー・感想・評価

ファンタズム(2014年製作の映画)
2.5
江草圭一は郊外の新興住宅地に居を構え、妻の恭子、あみな、拓海となに不自由なく暮らしている。

ある日、拓海が謎の事故で死んでしまう。

恭子は別人のように変わってしまった。

拓海の死から立ち直ることが出来ず、家族に内緒で降霊術師を雇い、死んだはずの拓海の「声」を聞くのであった…。

「福井映画祭9th」で長編部門グランプリ(観客賞)を受賞した武田真悟監督によるホラー。

71分という上映時間と、知らない役者の方ばかり出ていた作品でしたが、予想に反してそこそこ観ることができました。

とはいえ、設定の甘さとシナリオの弱さが隠し切れず、全体的に安っぽさは否めません。

ストーリーは事故で水死した息子を、母親の強い願いによって降霊術師がその霊を呼び寄せるというもので、人里離れた山間部の廃道となったトンネルの中で、母親一人が降霊の儀式を行って、誤って他の霊も呼び寄せてしまい、恐ろしい結果を招くというお話です。

限られた予算の中やりくりして大変だろうなあと思いつつ、演技ももうちょっと頑張ってくれと思いながらも、邦画ホラーでよくある目に余る論理破綻はない。

ホラー演出も低予算ながら頑張ってる感じがする。
 
このまま勢いを保って最後まで駆け抜けてくれれば及第点だろうと思っていた所、ラストの締まりのなさは残念。

雰囲気とか設定は悪くないのに色々投げっぱなしというか、ストーリーの作り込みがイマイチに感じた。

なお、本作での重要な舞台となるトンネルの場所は東京都西多摩郡檜原村の神戸隧道です。

心霊スポットとしても有名ですが、何か事件や事故があったというよりも、トンネルの中が大きくカーブを描いているため中が真っ暗に見えるという雰囲気に起因した噂なようです。

今でも普通に通行出来るトンネルなので、ご興味がおありで、お近くに行かれた方は是非。
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