Solaris8

パターソンのSolaris8のレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.0
ヒューマントラストシネマ有楽町で映画パターソンを観た。30歳台と思われる主人公は小さな地方都市の市内バスの運転手で、平日、定時退社して真っ直ぐ家に帰るとイスラム系の自立していないように思える可愛い妻が待っている。

詩を考えるのが趣味で、毎日、犬の散歩をして近くのバーに立ち寄るのが日課である。映画は月曜日の朝、目覚める処から始まって次の週の月曜日の朝、目覚める処で映画は終わる。ドラマチックな出来事は何も起こらないが、繰り返される日常も詩を書く事で新しい発見に目覚め、何処か新鮮になると云う。

最近、SNS映えという言葉があるが、SNSも詩がビジュアルに置き換わったもので創作活動である点は変わらないのかもしれない。

同日、日本の映画「幼な子われらに生まれ」を観た。こちらの夫婦は自立していない、ぶら下がり系の美人妻までは同じだが、40歳台の子持ちのバツイチ同士の結婚で、平凡ながらも幸せな家庭を築こうとするが主人公は管理職から倉庫番へ出向させられ、子供とのコミュニケーションに悩み、精神的に追い込まれていた。発想力に乏しい日本人的感覚で考えるとパターソンという映画は少々、お伽噺で、詩的センスを愉しむ映画なのだと思う。

二つの映画を観ていると、自分の平凡な人生を嘆き、映画に救いを求める自分に気付く。
Solaris8

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