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パターソンのkassyのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.8
アメリカ・パターソンに住むバス運転手、パターソンの一週間を描く。
朝は妻へのキスで始まり、仕事に行き、少しずつ詩を書き貯め、犬の散歩がてらバーに行ってお酒を飲むのが日課だ。

最初は淡々と描かれるストーリーに時折眠くなってしまったのだが、日曜日が訪れた時に、ガラッと今までの生活が急に愛おしく感じることが出来た。

人は毎日のルーティーンがあり、同じような毎日を淡々と過ごしている。
しかし、同じように見えて毎日少しずつ変化があり、その小さな出来事の積み重ねで人間は形成されていく。
そしてちょっとした出来事を自分の中で愛おしく思う事が詩に書き留めておくという行為につながるのではないだろうか。

日曜日に起きる出来事は、今までの自分の延長でありながら、自分の再発見だったのだと思う。
詩を書く事は誰かを愛する事、そして毎日生きる事。
詩を書かない人間でも、なんとなくそんな風に思える、良い映画だった。

DVDで見ると、チャプターは各曜日の冒頭にしかない。
すなわち、スキップすると全て夫婦のベッドから始まるのである。
この作品のこだわりを感じられる作りでなんだか感心してしまった。

奥さんの白黒狂は狂気を感じます笑
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