日常を繰り返す事ができる幸せを改めて感じる一作。
ただパターソンが過ごす日常を描いているだけなのに、不思議とずっと観ていたくなる。
平凡で退屈だと思える毎日の中にもちょっとずつ変化があったり、まるで運命を感じる様な出会いがあったりする。
当たり前だから気付かないだけで、立ち止まってみれば感じられることは確かにある。
パターソンが愛する『詩』の世界には、そんな日々の美しさを見つめる視点がある。
大袈裟かもしれないが、それは我々が人間だからこそ感じられる感覚なのであり、人間である事の幸せを賛美している様にも感じる。
単調になりがちな物語だが、アダム・ドライバーの朴訥としながらも優しさを感じる演技に引き込まれる。
ちょっとイタい感じの奥さんと、ちょっとヤンチャな愛犬マーヴィンのホンワカした感じもとても良い。
時折クスッと笑える場面もあって、家でリラックスしながら観るのにピッタリな作品。
ジム・ジャームッシュ作品は実は初めて観たが、こんなホッコリした作風から次作のゾンビ映画（デッド・ドント・ダイ）は一体どう描かれるのか？
とても楽しみだ。
