ろく

温泉あんま芸者のろくのレビュー・感想・評価

温泉あんま芸者(1968年製作の映画)
2.3
石井輝男は「まじめなものを撮っていたら結果として笑える」監督なの(恐怖奇形人間も亡八武士道も徳川女刺青師も)。なのにこの作品は最初から「笑わせる」つもりで撮っている。はい、それは失敗だよね。

全体としても無理に「面白み」を撮ろうとしているけど途中でできなくなってしまったのだろうか、結果最後はウェットな展開でお涙頂戴。はいはい、いらないぜ、そんなの。これは大映かと突っ込んでしまう。

そしてエロも中途半端。徳川女刺青師を撮っていたお前はどこに行った。うん、これこそが輝男の実力かもしれないけど中途半端だよ!何もかも中途半端!

特に処女をなくしてしまうシーン(相手は金子信夫だよ)ではなんとも苦笑、なんだ、あの赤い物体は?終わったあと謎な赤い物体が枕もとにおいてあるんだけどそれなんに使うのって謎。

たまにさえるネタもあるんだけど(なぜか泥棒した男が最後に聞いてくださいという歌が石焼き芋♪だったり女性の足に描かれているいる刺青がカニだったり)全体としてはギャグも滑る。そもそも野球拳しているのに負けた方も脱いでいるのはなんなんだと突っ込みたくなる。

批評家には酷評されたらしいけど結果その後温泉芸者シリーズは続くし興行的にもうまくいってしまう。あ、これって今の映画界と同じっすよ。でもでもでもでも、それでもポンコツ映画だからな。「温泉すっぽん」や「東京ふんどし」に比べると多幸感は味わえない。無念っす。
ろく

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