ポスターに「愛か、狂気か」って書いてありますが、これ制作陣に向けられた言葉じゃないですか？笑。すべてのシーンに筆の動きが見てとれて、すべてのシーンにゴッホ作品が垣間見れて、この映画をゴッホへの愛と言わずして芸術への狂気と言わずして、なんという…？こんなの見ちゃって感動しないわけないです。劇場で観れて嬉しい。
芸術家って なるべくしてなるもの。なのに。大切な人や自分までも苦しめてしまったなんて。きっと彼の絵からは魅力と同じだけの毒が零れていたんだろう。ゴッホという人間も、もう少し器用であれば。彼が生きていた間、彼はどれだけ満たされていたのだろう。愛をこめて握手したかった相手と、どれだけ幸せを噛み締められたのだろう。自分の人生を責める人生は辛かったろうと思いやると、でもなぜか救われる自分もいた。ゴッホの人生は本人が亡くなったあとこうして世界中に意味付け価値付けされているけど、「彼に幸せでいてほしかった」と歯がゆく思う。大事なのは生きている今さ。
