ENDO

ノー・ホーム・ムーヴィーのENDOのレビュー・感想・評価

ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)
4.0
ポーランド系ユダヤ人としてベルギーで受けたであろう迫害(ショア)を饒舌に語る母は、最後には意識も混濁して息も絶え絶えになる。それでも尚カメラを回し続け、質問を続けるシャンタルのその過酷なまでの記録への執念。母はシャンタルをどこまでも気にかけ、片時も離れたくないと語る。荒野に吹き荒れる風の音だけが、心情を排したシャンタルの沈黙を破る。家庭を持たず映像に身を捧げた人間だけが迎える孤独に縁取られた窓から眺めているような作品だ。
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