akrutm

マザーズ・デイのakrutmのレビュー・感想・評価

マザーズ・デイ(2016年製作の映画)
3.8
それぞれの事情を抱えて悩む母と子の、母の日を迎えるまでの姿を描いた、ゲイリー・マーシャル監督の遺作となる群像ドラマ映画。

ゲイリー・マーシャル監督の晩年は Holiday Trilogy と呼ばれる3作の群像劇を撮っているが、前2作(『バレンタインデー』、『ニューイヤーズ・イブ』)はとても散逸でまとまりがなく、細かいエピソードの寄せ集めのようで、好きになれなかった。それに比べて、群像劇3作目となる本作は群像劇というほどキャラクターが多くはなく、全体的な統一感も感じられて、個人的には満足できる一品である。ほのぼのとした感じもよい。

そのような本作の出来に最も貢献しているのが(ひいき目かもしれないが)間違いなくジェニファー・アニストンだろう。最近になって若い女性と再婚した元夫から母の日に息子たちと過ごすと言われてショックを受ける二児のバツイチ母をユーモラスに演じていて、彼女のコメディエンヌぶりが作品全体を引き締めている。また、彼女が他のほとんどのメインキャラと絡んでいるという点で、それぞれのエピソードを関係付ける接着剤の役割を彼女が果たしているのも大きい。ジェイソン・サダイキスも出ているし。

これからの時期、母の日に向けて、母への感謝をあらためて考える上で、見てみるとよいかもしれない。
akrutm

akrutm