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ブロークダウン・パレスの一人旅のレビュー・感想・評価

ブロークダウン・パレス(1999年製作の映画)
3.0
ジョナサン・カプラン監督作。

クレア・デインズ&ケイト・ベッキンセイル共演のサスペンス映画で、旅先で想定外の災難に見舞われた米国人女性の過酷な運命を描きます。本作は、主演のクレア・デインズがロケ地となったフィリピンの悪口を吐き大顰蹙を買ったことでも知られる不運な作品です。

高校の卒業旅行でタイを訪れた二人のアメリカ人女子学生が、ホテルで出会い意気投合したオーストラリア人青年に誘われ数日間だけ香港に遊びに行くことにした矢先、空港でヘロイン密輸の濡れ衣を着せられ投獄されてしまう…という“冤罪サスペンス”で、無実の罪で劣悪な環境のタイの女子刑務所に収監された女子学生が辿る不条理な運命を、彼女たちの親に雇われた在タイ米国人弁護士の動向を交え描き出しています。

劇中描かれる女子刑務所が看守による暴力や汚職が常態化していたり、タイの警察&司法が前時代的なものとして描かれる等、タイに対するネガティブキャンペーンとも受け取れる内容になっているのが残念ですが、『ミッドナイト・エクスプレス』(1978)のように言葉も通じない遠い異国の地で冤罪事件に巻き込まれた女子学生の無力さと絶望がひしと伝わりますし、W主演を務めたクレア・デインズ&ケイト・ベッキンセイルの若手コンビによる対照的な演技にも注目であります。
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