何かを求めて
誰かを探して
当てもなく生きて
2019年33本目: 原題『Asphalte』
フランス郊外の古びた団地で暮らす
風変わりな男女の出会いの物語
なんてもの悲しく
人恋しいお話なんだろう
なぜ独りだとこんなにもちっぽけで
惨めな気持ちになるのだろう
どうして人は世界に溢れるほどいるのに
孤独を感じてしまうのだろう
なんで人は温もりを求めて
支え合わないと成り立たないのだろう
人は繊細な生き物なのに
相手の心が読めないのはなぜだろう
年齢や性別の関係ない
無条件の愛とはなんだろう
あなたは何を見てきて
あの時に何を感じていたんだろう
私はあなたにどのように見られて
なにを想うのだろう
もしあなたがそこにいたら
私は声をかけるだろうか
もし私がそこにいたら
あなたは私に気づくだろうか
わからない
本当は私たちは何もわからない
ひたすらに人生を模索して
ただ当てもなく生きている
この作品を観て周りの人たちのことを想った
想わずにはいられなかった
閑散とした風景と色彩の薄い映像に温もりを欲した
泣く理由が見当たらないまま泣いてしまった
この映画はこの先ずっと私の中に生き続ける
そして幾度となく想い出して人に寄り添う
必要としてくれる誰かの元へ
言葉にできない
言語を超えるような映画
そんな作品にこれからも出会いたい
