シミステツ

リトル・マーメイドのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

リトル・マーメイドらしからぬ男たちの船のシーンからはじまる。ポリコレで話題になったアリエルは実際観てみるとそこまで違和感はなかったけど、コーラル・ムーンで七つの海のマーメイドを集めるならアジア人とかもいていいとは思った。アリエル役のハリー・ベイリーあどけなくてかわいい。ドレッドヘアーのアリエルというのは斬新。
プロローグが20分、人間との出会いから『アンダー・ザ・シー』までで40分、アースラとの出会いまでで60分、王子と人間界と慣れ親しんでいくまでが80分、王子とアリエルのキスが迫りつつ、アースラやトリトリ王にも動きが出てきて後半への展開が示唆されるまでが100分…と実に明確に構成されていて20分ごとのメリハリで楽しめる。

どうやって海の中の感じで髪の毛の動きとか出してるんだろうと気になった。ストーリーはもうご存知という感じで特筆すべき点はないけど『アンダー・ザ・シー』は実写ならではの色とりどりの魚たち、海の煌びやかさもあってよかった。声が出ない中でも心の中で歌っているという描写は実写版独自でアリエルの心境の奥行きが出ていていい設定だと思った。星空を見てアリエルという名前を当てるシーン素敵。ラストシーンの人魚の仲間たちのお出迎え、めちゃくちゃよかった。エリックも純粋な王家ではなくて、最後はふたりで海に旅立つ=アリエルも王家に嫁ぐという旧来的な男女のあり方とは少し違う新しい自由を手にする形は新解釈として良かったんじゃないかなと思う。