改名した三島こねこ

ブラック・スワンの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
3.9
鬱々とした官能的な美的映画。

ナタリー・ポートマンと言えばかの大傑作『LEON』だ。『LEON』のマチルダは幼年期の純粋さと苛烈さを体現した可憐さを武器としていた。あれから十余年。今作では無垢な美しさをどこか残したままの彼女が、爛熟した肉体に根付く生々しい美を獲得するまでを描いている。

作風はとても狂気的であり猟奇的。耽美ともとれるストーリーは嫌悪感を催す一方で、たしかに美を感じ取ることができる。

ヴァンサン・カッセル演じるトマは観衆の憎悪を集めながらも、その言には納得させられるしかない。ブラック・スワンへと孵化したニナの傅きたくなるまでの美に、我々は驚嘆するだろう。