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婚約者の友人のikumatsuのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
3.0
モノクロの世界にふわぁっと色づく僅かなシーン。あぁそうだった、世界にはありとあらゆる色が付いているんだった。目の前に広がる色に幸せを覚える。

今わたしの目の前に見えているものが真実なのか、たまにふと不安に駆られる。その奥に隠れているであろう誰かの想いや行動、そういう見えない何層もの膜を想像するべきだろう。

一度知ってしまえば二度と知らない状態には戻れない。知らずにいられればそれが真実。それ故、誰かに何かを伝える時は言葉や行動に責任が伴う。相手の幸せを想うならなおのこと、伝える側がラインをどこで引くかをしっかり考えないといけない時もある。

この場合はどこが正解だったんだろう。

わたしは全てを知りたいタチだが、全てを知ることが必ずしも幸せとイコールだとは思っていない。

不幸になっても真相を知ることがいいのか、幸せであるために知ることを放棄するべきか。今目の前にある鮮やかな世界が誰かによって守られている幸せならば、知らないままに終わっていくのも1つかもしれない。

三半規管をぐにゃんぐにゃんに捻じ曲げてくれるオゾン監督。深読みするのがクセになりつつあったので、まさかの真正面ストレートに豆鉄砲。
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