Vega

婚約者の友人のVegaのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
4.8
オゾンさま!やっぱり良い!この監督の描く女性がたまらなく好き。

舞台は第一次世界大戦後のドイツ、からのフランス。
人を殺し合う残虐性や愚かしさ、敵国への恨み、遺された者の絶望。
これは戦争の悲しみに泣いて終わるものなのか、いったいどう着地するのだ、と思っていたらこう来たか!

ドイツ人女性のアンナの前に、戦死した婚約者フランツの友人と名乗る男、フランス人のアドリアンが現れる。アンナとフランツの両親は彼の存在により徐々に悲しみを癒していく。そしてアンナはそれ以上の感情をアドリアンに寄せて…でも実は彼は…という展開からのアンナがねー、良いんですよねー。


人物の感情の機微がいつもながら巧く、アドリアンの無邪気さにざわつかせられるのもオゾンらしき。
なんといってもアンナのこころの揺れと、その果てに呟くラストの台詞に痺れる。
喪失からの再生をこんなかたちで表現するとは、オゾンさすがとしか言いようがないです。素敵だ!
Vega

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