新年早々観てきました。
死して尚フォロワーを生み出し続ける伝説のラッパー、2Pacの伝記モノ。
ストリートからのし上がる彼を描くというより、成功した後の彼と、欲望渦巻くショウビズ界がフォーカスされた作品です。
差別と闘い、メディアが見向きもしない凄惨なゲットーの現実を訴える事でカリスマとなった2Pac。
しかし、地位と名誉、カネを手にした彼を待っていたのは、自らの手でコントロール出来ないオトナの世界でした。
造詣が深い訳ではないものの、僕があまり興味を持てない時代に突入していく時期のHip-Hop界が舞台であり、この作品を観て、その傾向は更に強くなりそうです。
ただ、彼の遺した楽曲やアティテュードの重要性は、よく理解できました。
帰宅して観た"恋はデジャ・ヴ"でビル・マーレイ演じるフィルが、ループする日常に気付き、欲望のままに好き勝手する様は、この作品の2Pacと皮肉にも重なります。
彼が死ななければ、今頃フィルの様に人の生き様、人生の本質を理解できたのかなぁと思うと、非常に残念です。
N.W.Aの"ストレイト・アウタ・コンプトン"の方が圧倒的に僕好みでしたが、この作品も十分に魅力的。
"Dear Mama"が流れるシーンは、ベタですが凄くクルものがありました。
でも、作品よりビビったのが、B-Boy風の観客の中、お一人でこの作品を鑑賞されていた齢75にはなろうかという奥様。
エンドロールまでしっかり鑑賞後、B-Boy達を尻目に、貫禄の退館でございました。